この日は午後から井戸尻考古館へ。
日頃ウージが大変お世話になっている井戸尻考古館学芸員、小松隆史さんが講師。
今回、小松さんから与えられたミッションは、火を起こし竪穴式住居の炉に火を入れ、土器で甘酒を温め、手作りの竹コップで頂くというもの。
さて、みんな甘酒までたどり着けるのでしょうか。始めに小松さんが、縄文人はどんな暮らしをしていたのか興味深いお話しをしてくれ、子どもたちからも次々質問が飛び交いました。
そしていよいよ火起こし。
まずは、火起こしでいちばん大切なことは何かが、みなに伝えられました。
それは、みんなの心が一つになること。
「心が一つにならないと、縄文の火の神様は降りて来てくれない…。」
「みんなで協力して心が一つになったとき、火の神様が降りて来ます。」
でも、ちょっと子どもたちは半信半疑の様子。
まず小松さんが、火きり臼と火きり棒の使い方を説明してくれました。
そして子どもたちにバトンタッチ。
順番にみんなで協力し合って火起こしをしていきます。
次の人は回転が止まらないように、上で準備をしています。
30分くらい子どもたちだけで頑張りましたが、なかなか火種が出て来ません。
大人も一緒に協力して…という子どもたちの要望でスタッフも参加。
ここからはスピードアップ。シンゴも気合いが入ります!
続いてウージ。煙が上がり始めました!
みんな汗だくです。
ようやく火種が出ました! みんな興奮しています!
10歳男子が代表で、麻の繊維の中に入れた火種をグルグルと回します。
徐々に白い煙が上がり始めます。
煙がピークに達した瞬間、大きな火の塊が現れました!
おぉ〜!と歓声の声が上がります。
炉の枝に着火!
火吹きで、火を大きくしていきます。
子どもたちも火が消えないように必死で吹きます!
突然、火起こしが成功して気が緩んだせいか、二人の子どもが言い争うケンカが勃発。
それと同時に、なぜか炉の火が小さくなっていきます!
消えないように必死に火吹き竹を吹きますが、白い煙だけに…。
すると10歳男子が「ケンカしたら降りて来た火の神様が帰ってしまうだろう!」
「みんなの心が一つじゃないとダメなんだよ!」
熱く訴えながら二人の仲裁に入りました。
しかし、火は復活することなく消えていきます…。
みんなで1時間以上も頑張って着けた火が…。
「ほら!火の神様が帰っちゃったじゃないか!」
「みんなで協力して火がついたのに!」
「智・仁・武・勇 ※ だろう!忍者でも教わっただろう!」( ※ 忍者修行で教わった智慧と技と勇気を持って協力する忍者の極意)
10歳男子の熱弁は青春ドラマの一場面を見ているようでした。
小松さんも、いや〜ここまで火がついて消えてしまうことは初めてです…と首を傾げていました。
もう一度最初から火を着けようと頑張りましたが、途中で断念。
まだまだみんなの心が一つになっていないのか、再び火の神様が舞い降りることはありませんでした。
意気消沈した子どもたちの心には、それぞれの縄文の火の神様の姿が焼き付いたことでしょう。
時間もなくなり次回リベンジということで、第一回の火起こしは幕を閉じました。
楽しみにしていた甘酒も飲めず、次回までおあずけです…(涙)