★ 縄文ワーク<Vol.4> 石器でタカキビ刈り
この日の縄文ワークは、井戸尻遺跡考古館で毎年大切に育てられているタカキビを石器を使って刈り取る作業。
雑穀のタカキビがどんなものか、まずは見て触って観察するところから。
始めに石器なしで手で取ってみると…。
引っ張ったり折ったりしてもなかなか切れず、手での刈り取りの難しさを体感。
そこで必要になってくるのが「道具」。
これが縄文時代に使っていた石器のナイフ!
まずは小松さんが、石器の持ち方を伝授。
刈り取る場所に、石器をあてます。
固定したら、石の尖った部分をあて。
向こう側へ手首をスナップすることで、スパット刈り取れました。
早速、子どもたちも小松さんの指導で刈り取り作業開始。
切るコツをつかむまで、何回もチャレンジ。
みんなが刈り取ったタカキビを綺麗に集める5歳の女の子。
たわわに実った美しいタカキビ。
石器での刈り取り作業は、みな初めての体験。
縄文人の暮らしには現代のような便利さはありませんが、その分ひとつひとつの「いのち」に日々向き合い、暮らしていたということを感じさせられました。
★ 縄文ワーク<Vol.5> 石臼で収獲したタカキビの脱穀、粉引き
この日は収獲したタカキビの実を脱穀する作業から。
長い木の棒でトントン叩き実を落とします。
子どもたちも長い木の棒で叩き、脱穀にチャレンジ!
次は落とした実を吹きながら殻だけを飛ばします。
強く吹きすぎると実も飛んでしまうので、その加減が難しい…。
真剣にタカキビの実とにらめっこ。
こちらが縄文時代に使われていたタイプの石臼。
石の上にタカキビの実をのせ、軽くトントンと叩きます。
石の平な部分を使いゴリゴリ回すことで薄皮がむけ、粉になります。
粉になったものを藁箒で掻き、器に集めます。
この石臼は、江戸時代に広く普及したタイプのもの。
明治の頃、実際に使われていたものだそうです。
2歳の男の子も一緒に回してくれています。
5歳の女の子。1人で頑張っています!
きれいなタカキビ粉が完成!
単調な作業なので直ぐに飽きてしまうだろうと思っていたのですが、かれこれ2時間近く作業に没頭する子どもたち。
夕暮れも迫るのんびりとした縄文の風景に、子どもたちもとけ込んでいました。
★ 縄文ワーク<Vol.6> 雑穀を縄文土器で炊き、味わう
この日は住居に入るとすでに炉に火が入り、土器で煮炊きする準備ができていました。
火を囲み座ると、小松さんから質問。
縄文人はどんな食べ物を食べていたのかな〜?
「ドングリ、魚、シカ、キノコ…。」
子どもたちから次々と答えが飛び出します。
「お米!」米はまだ無いかな〜。「雑穀!」そうだね。
「ブタ!」ブタはいないけどその先祖は食べてました。「イノシシ!」そうです!
子どもたちとの軽快なやり取りの後、小松さんから縄文人の暮らしについてのお話。
その深くも分かりやすいお話は、スタッフや保護者の方々にも染入る話しでした。
そして、気になる土器の中で調理されているのは…。そう雑穀のお粥。
「収獲、脱穀と来たら、最後は食べる事でしょう!」と小松さん。
土器で炊いた雑穀のお粥がみなに配られ食します。
お米のお粥とは少し違った、素朴でやさしい味わいでした。
そしてもうひとつ出てきたのが、キビの粉をお団子にした正しくキビ団子。
桃太郎の話しでその名は知れど、食べるのはみな初めて。
こちらもやさしい味で、子どもたちにも大人気でした。
火起こしから始まった6回の縄文ワーク。
縄文人が使っていた道具やその暮らしから学び体験したことは、全ては「生きる」ためにあり、生きるために全ての「いのち」と向き合い大切にしていたと言うこと。
「生きる」ために「いのち」をいただく。
小松さんが住む長野のある地域では、食事のとき「いただきます」の最後は「ごちそうさま」ではなく「いただきました」と言うそうです。
「いのち」を収獲して、火の力で調理し、そして「生きる」ためにいただく。
いただけたことへの感謝を込めて、最後はみなで「いただきました!」で終わりました。
そして小松さんにも感謝を込めて、縄文人の智慧を「いただきました!」
また本年も、よろしくお願い致します。